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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

症例:Clin Case Rep 右下腹部膨隆と臍偏位

case report紹介です。
今回は千葉大学の鋪野紀好先生のご厚意で内科学会総会でも出ていた症例報告をご紹介します。
一部クイズ風にアレンジ。

症例:75歳女性 右下腹部膨隆と臍偏位

Clin Case Rep. 2016 Apr; 4(4): 451–452.

 75歳女性が右下腹部痛と発疹を訴えた。2週間後に腹痛は改善したが、右下腹部が膨隆し同部位の皮膚に不快感があるのに気付いた。同時に臍が左側に偏位。Valsalva手技で腹壁突出は顕著になる。

f:id:tyabu7973:20170417235900j:plain

(本文より引用)

既往歴として、子宮筋腫で筋腫核出術を施行。腹部CTでは特記すべき異常所見なく、ヘルニアや腫瘤は認めなかった。3ヶ月後、症状は完全に回復した。

質問. 診断は

 

回答:
①診断:帯状疱疹による偽性ヘルニア

解説:

 本症例はTh11-12領域の右側背部に色素脱失が認められていた。

f:id:tyabu7973:20170418000059j:plain
(本文より引用)

 帯状疱疹後の腹部偽性ヘルニアは帯状疱疹患者の2%程度に発症するとされている。帯状疱疹発症時もしくは発症後に運動機能障害が出現した場合に疑う必要がある。
 臍が正中線より健側に偏位することは、Bell麻痺の顔面所見と同様に腹壁筋の麻痺を示唆している。
 本症候群を認識することは重要で、基本的には可逆性があり、外科的介入を必要としないことがほとんどである。

 

 千葉大学総合診療科の鋪野先生・生坂先生に感謝申し上げます。この症例も含めてUncommon disease満載のこの本も宜しくお願いします。↓ この症例も残っているみたいですよ。

外来診療のUncommon Disease

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