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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics 喘息発作ではβ2刺激薬に加えて抗コリン薬を追加すると入院が減る

ACPJCです。
喘息の発作における抗コリン薬。本邦だとアトロベントⓇやテルシガンⓇでしょうかねえ。しかもテルシガンⓇは販売中止??はてさて。Cochraneです!

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Combined inhaled beta-agonist and anticholinergic agents for emergency management in adults with asthma. 

Kirkland SW, Vandenberghe C, Voaklander B, et al. 

Cochrane Database Syst Rev. 2017;1:CD001284.

臨床上の疑問:
 思春期および成人で救急外来に喘息発作で受診した場合、SABA(短時間作用型β2刺激薬)に加えてSAACs(短時間作動型抗コリン薬)を加えると入院は減るか?

レビュースコープ:
 SAACsとSABAsの併用療法とSABAs単独療法を比較した16歳以上の単純性喘息発作で救急外来を受診した患者の比較研究を組み入れた。喘息の診断は国際的もしくは国内の臨床クライテリアに基づく±肺機能評価で行われた。
 COPD患者の研究も全体の20%未満がCOPDであれば組み入れられ、喘息患者のみのアウトカムが抽出できれば抽出した
 プライマリアウトカムは入院、セカンダリアウトカムは、救急外来での追加治療、再発(症状増悪による救急外来再受診)、肺機能結果(FEV1.0)、副作用

レビュー方法:
 MEDLINE・EMBASE/Excerpta Medica・CINAHL・SCOPUS・LILACS・ProQiest Dissertations・Theses Global・Cochrane Database of SR・ACP Journal club・DARE・Cochrane Central Registry of Controlled trial(Central)・Cochrane Methodology Registry・Health Technology Assessment・NHS economic Evaluation Database
で2015年7月まで検索された。Cochrane Airways Group registry of  trialsを2016年7月まで検索した。それ以外のデータソースからもRCT・前向き観察研究が組み入れられた。
 23ランダム化比較試験(n=2724人)が組み入れ基準を満たし、SAACsでイプラトロピウムが19研究、アトロピンが2研究、オキシトロピウムが2研究、ラバブテロール1研究、メタプロテレノール1研究だった。8つのRCTがランダム化のシークエンスが有り、7研究が隠蔽化、7研究が患者および研究者に盲検されており、6研究がアウトカム評価者の盲検を行っていた。

結果:
 主要結果は以下。メタ解析ではSABAsと比較して、SABAsとSAACsの組み合わせは、FEV1.0を改善するが、%比率では変化なし。

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(本文より引用)

結論:
 思春期および成人で救急外来に喘息発作で受診した場合、SABA(短時間作用型β2刺激薬)に加えてSAACs(短時間作動型抗コリン薬)を加えると入院は減る

 SAACsって実は以前から喘息の治療に用いられていたんですよね。現在診療ガイドラインでは、重症患者ではSABA+SAACが推奨されていますが、実は軽症患者の方でも良いのかもしれません。あとは単回投与にするか繰り返して反復投与するかについても結論はでていません。副作用は多くなかったですねえ。さて、プラクティスを変えるかは悩ましい所ですね。