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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:28歳女性 挙児希望の糖尿病

NEJMのKnowledge+です。 
今回は海外から投稿です!笑
やつの新たな側面を見た気がします。
一方、日本だと妊娠中はオフラベルユーズになっちゃいますので、解釈に注意して下さい。残念ながら日本で使用出来るのはインスリンのみです。

症例:28歳女性 挙児希望の糖尿病

 28歳女性でPCO(多嚢胞性卵巣症候群)の既往があり、最近2型糖尿病と診断された1経妊1経産の女性が次の妊娠を予定して受診した。5年前の第1子出産時にはメトホルミンを内服していた様だった。それ以降、彼女は自分の意思でメトホルミンを中止していた。妊娠を希望していたため18か月前に経口避妊薬を止めた。月経回数は少なく、定期的に避妊無しの性交を行っている。
 心拍は82回/分、血圧 122/78mmHg、BMI 35。
 HbA1c 8.0%、TSH 1.2μU/ml、Cr 0.85mg/dL、FBG 170-180mg/dLだった。尿の妊娠反応は陰性。

質問. 妊娠前に到達すべき血糖コントロールを達成するために運動・栄養療法に加えて行うべきことは何か?

  1.   シタグリプチンリンを開始
  2.   メトホルミンを再開
  3.   クロミフェンを開始
  4.   レトロゾールを開始
  5.   グリブリドを開始

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 PCOから無排卵性不妊症を来たし、妊娠を計画している2型糖尿病女性の最適糖尿病治療薬はメトホルミンである

回答 2. メトホルミンを再開

解説:

 本患者はPCOSに続発する無排卵性不妊症を来している。また、肥満とコントロール不良に2型糖尿病があり、妊娠高血圧、子癇前症、先天性異常、巨大児、自然流産および母胎・胎児の病的状態のリスク増大と関連する。妊娠前に血糖を厳密にコントロールすることは本患者にとって重要で、空腹時血糖≦95mg/dL、HbA1c 6.0-7.0%を目標とする。食事指導で低炭水化物食をお勧めするが、おそらく高血糖と妊娠を目標にするためにも、薬物療法を必要とするだろう。

 メトホルミンは、PCOSで不妊となっているコントロール不良の2型糖尿病患者では最も良い第一選択薬であり、高血糖および無排卵の双方に対処した処方である。メトホルミンは、低血糖リスクは少なく排卵を回復させ、インスリン感受性を改善し、血清アンドロゲン値を低下させるために役立つ可能性がある。

 インスリンやグリブリドなどのSU剤、シタグリプチンなどのDPP-4阻害薬などの他の経口血糖降下薬は、この患者の高血糖のコントロールには役立つかもしれないが、無月経には影響しないため第一選択薬とはいえない。

 本患者が妊娠する予定があることを考えると、妊娠中の糖尿病薬の安全性も考慮する必要がある。シタグリプチンは妊娠中の効果は検証されていない。ほとんどのインスリンは妊娠中の安全性が確立されており、妊娠中の糖尿病治療の第一選択薬として米国糖尿病学会・内分泌学会から推奨されている。米国産婦人科学会の妊娠糖尿病ガイドラインによれば、グリブリドとメトホルミンは妊娠中の血糖コントロールにも適しているが、米国糖尿病学会は胎盤の胎児側のメトホルミン濃度と臍帯血のグリブリド濃度に懸念を示している。挙児希望のPCOS患者での標準的な治療は、メトホルミンを開始し、妊娠した際にインスリンに変更するかどうかpro& consで相談すべきである。
 
 クロミフェンとレトロゾールは無排卵性不妊症の第一選択薬として内分泌学会のPCOS診療ガイドラインで推奨されている。しかし、本患者は糖尿病のコントロールが不十分で有り、排卵誘発は時期尚早である。メトホルミンがコントロール不良の糖尿病および排卵周期の誘発に役立つ。メトホルミンを使用しても、排卵誘発ができない場合には、クロミフェンまたはレトロゾールが考慮される。

Citations

  • ACOG Committee on Practice Bulletins. Practice bulletin no. 60: pregestational diabetes mellitus. Obstet Gynecol 2005 Mar 2; 105:675 (reaffirmed 2016). 

  • Committee on Practice Bulletins--Obstetrics. Practice bulletin no. 137: gestational diabetes mellitus. Obstet Gynecol 2013 Aug 24; 122:406 (reaffirmed 2015).  

  • Legro RS et al. Diagnosis and treatment of polycystic ovary syndrome: an Endocrine Society clinical practice guideline. J Clin Endocrinol Metab 2013 Dec; 98:4565.

  • Blumer I et al. Diabetes and pregnancy: an Endocrine Society clinical practice guideline. J Clin Endocrinol Metab 2013 Nov 7; 98:4227

妊婦の糖代謝異常 診療・管理マニュアル

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