栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Quality Improvement 抗菌薬処方を改善する介入の効果は?

ACPJC紹介します。
今回はコクランのシステマティックレビューから。

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Interventions to improve antibiotic prescribing practices for hospital inpatients. 

Davey P, Marwick CA, Scott CL, et al. 

Cochrane Database Syst Rev. 2017;2:CD003543.

臨床上の疑問:
 入院患者に対する抗菌薬処方を改善する介入の効果と安全性はどうか?

レビュースコープ:
 入院患者の抗菌薬処方を改善するためのプロの行動変容に変化を与える介入と通常プラクティス(介入なし)を比較した研究を組み入れ。介入には、講演・フィードバック・教育・リマインド・構造的変化などが含まれ、介入は推奨型(行動を促す手段または行動するための障壁を減らす)・制限型(行動に影響を与えるためのルール策定)に分類された。
 アウトカムは、抗菌薬処方(ガイドライン遵守率、治療期間)、死亡率、入院期間。

レビュー方法:
 MEDLINE・EMBASE/Excerpta Medica・Cochrane Central Registry of Controlled trial(Central)・Cochrane Database of Systematic Reviews・Database of Abstracts of Reviews of Effects(全て2015年1月まで)、
リファレンスリストや個々人のファイルから、RCT・非ランダム化の比較試験・システマティックレビューが組み入れられた。
 221研究(58RCT、163非ランダム化研究)が組み入れ基準を満たした。36RCTはバイアスリスクが高い研究であり、RCTからの結果でメタ解析が行われた。

結果:
 主要結果は以下。推奨型も制限型もどちらも抗菌薬処方への遵守率を増加させた(GRADE 高)。

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(本文より引用)

結論:
 入院患者に対する抗菌薬処方のガイダンスや介入は、抗菌薬処方や治療期間を減らしたが、死亡率には関連しなかった

 結局の所効果のある介入は、文脈依存的で、”私達の環境に導入できるか?”というのがポイントになると思います。あとは、介入後の品質改善プロセスが不可欠だとされています。