栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:インターフェロンフリー時代のジレンマ/AIMAH/吐物の色バリエーション

カンファまとめです。
だいぶ遅まきなり〜。
結構この時間に救急当番とか入ると厳しいですねえ。

インターフェロンフリー時代のジレンマ Dilemma for era of IFN free

 これって、お金のこと??と思いたくなりますが、お金だけではありません。今回のテーマはSVRですな。SVRとはSustained Virological Responseの略です。治療終了後、ウイルス量を調べて陰性化しているか?というのが治療効果判定の基準になります。ちなみに定義上は24週後の時点でのSVRが最も重要なポイントです。

 さて、一度SVRが達成されると、原則としては持続陰性化が得られ、C型肝炎からの発癌リスクが有意に低下することは多くの研究から明らかになっています。SVRの達成は概ね発癌抑制に繋がることはコンセンサスだったわけです。ただし、SVRが達成された患者さんからも肝臓癌発症の報告は多く報告されており、もともと注意が必要とされてはいました。
  
 さて、ここからが本題。インターフェロン時代のSVRが発癌抑制に関係することは明らかなのですが、インターフェロンフリー時代のSVRは本当に発癌抑制に繋がるんでしょうか?答えは・・・よく分からないというところでしょうか。おそらく、大丈夫だとは思うけれど、本当に今までのSVRと同様に持続陰性化が得られるのか、発癌抑制に繋がるのか・・・そこはまだ分からない。分からないけど、めちゃめちゃお金をかけて治療している・・・悩ましいですねえ。とはいえ、今の医療機関でHCV治療に携わりこのジレンマを感じることが出来るのは貴重な経験です。さて、10年後に変なデータ出ないと良いなあ。

 ✓ インターフェロンフリー時代の抗ウイルス治療によるSVRは本当に大丈夫かは時代が明らかにするでしょう
 

ACTH非依存性大結節性副腎過形成 ACTH-independent bilateral adrenocortical macronodular hyperplasia(AIMAH)

 副腎に対する何かしらの内分泌的な慢性刺激が起こることを背景に副腎がACTH非依存性の分泌能を獲得するもので、両側副腎の多結節状の腫大を来します。様々な副腎皮質過形成の中で最も腫大が著しいものとされ、1964年にKirschnerが最初に報告しています。
 ACTH非依存性であり、副腎腫大に伴いコルチゾールは過剰分泌されるようになり、フィードバックの結果、基本的にはACTH値は低くなります。一方、画像診断の進歩とともに、ホルモン過剰分泌症状は乏しく、画像で偶発的に診断される症例も増えています

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✓ AIMAHは画像上偶発的に発見されることも

 

吐物の色バリエーション Variation of color vomitus

 吐物の色には様々なバリエーションがありますよね。色によって様々な疾患を想起できることは周知とは思いますが、ここでいったん整理しておきます。
緑:これは基本的には胆汁を表していることが多いです。胆汁が吐物に回るということは逆流があること、胆道閉塞がないことと同義です。
赤:これはまあ言わずと知れた吐血ですな。やはり上部消化管からの出血が多く、食道静脈瘤やマロリー・ワイス、胃潰瘍が多いデスが、稀な病態としては胆道出血があります。また、盲点としては口腔内や咽頭部や喀血との鑑別が必要になるかもしれません。
黄:黄色は通常の胃液+少量胆汁が混じった色とされています。
茶・黒:基本にはこちらも出血を表していますが、多くは胃酸との結合で酸化した状態を表しています。

  ✓ 吐物の色の鑑別診断を!