栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

Dトレ(ポリファーマシー連載第15回):おまえはなぜ使われているのだ・・・??

連載第15回目です。

さあ、今月は結構怒りを持ってこのタイトル。
本当にやつは良くないです。どうにかしないと・・・

ご興味ある方は「治療」か「薬局」どちらかに掲載されておりますので是非本文をお読み下さい。

薬局 2017年 06 月号 [雑誌]

薬局 2017年 06 月号 [雑誌]

 

症例) 72歳男性

 72歳男性。もともと2型糖尿病、高血圧、アレルギー性鼻炎で外来に定期通院していた。血糖コントロールとして、2月はHbA1c 6%台だったが、3月、4月と徐々にHbA1c値が上昇傾向であり、今回5月の定期外来でHbA1c 9.8%(NGSP)まで上昇し、空腹時血糖も324mg/dlだった。本人に最近の生活状況を確認したが、食事量は普段とそれほど大きく変わらず、運動も今までと変わらないとのことだったが、数ヶ月前と比較するとやや太った印象があり、下腿浮腫も軽度認められた。

 急な血糖コントロール悪化であり、本人とも相談の上入院を希望された。入院後、ひとまず血糖の推移をみるため、今までと同様の内服薬を継続していたが、入院3日目に突然意識がもうろうとし、血圧 75/32mmHg、脈拍 82回/分のショック状態となった。血液検査では、TP 5.8mg/dL、Alb 3.8mg/dl、GOT 21IU/l、GPT 25IU/L、BUN 31mg/dL、Cr 1.12mg/dL、電解質正常、LDLコレステロール 148mg/dL、HDLコレステロール 48mg/dL、TG 212mg/dL、TSH 0.8μIU/mL、fT4 1.2ng/dL、FBG 281mg/dL、1HbA1c 9.8%(NGSP)だった。
 血液ガスでアシデミアなく、尿ケトンは陰性、血液培養は陰性。頭部CTでも特記すべき異常所見を認めなかった。

 服用薬は、以下の通り 
・アテレックⓇ 10mg 1錠分1 朝食後 53円
・ロンゲスⓇ 10mg 1錠分1 朝食後 62.1円
・メトグルコⓇ 250mg 6錠分3 毎食後 59.4円
・トラゼンタⓇ 5mg 1錠分1 朝食後 171.9円
・リバロⓇ 2mg 1錠分1 夕食後 111.1円
・アレグラⓇ60mg 2錠分2 朝夕食後 129.8円
合計 587.3円/日

 

 本人に聞いても他に薬は飲んでいないということだったが、同居している妻が「年明けくらいから近くの診療所を受診して花粉症の薬を追加でもらっていたようだ」という話を聞くことができた。家に帰って確認してもらったところ、セレスタミンⓇを2月頃からもらっていたことが判明。セレスタミンⓇ長期内服が入院によって突如中断されて副腎不全になったことが判明した。

 

(追加問診で判明した服用薬剤)
・セレスタミンⓇ 4錠/分2 朝夕食後 39.6円



質問)この患者さんについて正しいものはどれか。2つ選べ。 
A セレスタミンⓇに含まれているのはプレドニゾロンである
B セレスタミンⓇに含まれているのはベタメタゾンである
C セレスタミンⓇ中含有の副腎皮質ホルモンはプレドニゾロン換算で1錠2.5mgである。
D セレスタミンⓇ中含有の副腎皮質ホルモンはプレドニゾロン換算で1錠1.25mgである。

 

Key Learning Points!) 
ステロイドの歴史を知ろう
・ステロイドの副作用の概要を押さえる
・ステロイドを中止するための具体策を!


治療のテーマはACPです。
ここは地域で拡げていきたいと思っています。

治療 2017年 06 月号 [雑誌]

治療 2017年 06 月号 [雑誌]