栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文:Prospective cohort 非白人のコーヒー摂取と全死亡・疾患特異的死亡の関係

非白人の珈琲摂取と全死亡・疾患特異的死亡の関係
Association of Coffee Consumption With Total and Cause-Specific Mortality Among Nonwhite Populations

Ann Intern Med. doi:10.7326/M16-2472

【背景】
 コーヒー摂取は前向き観察研究では死亡リスクを減らすことは知られているが、非白人では明らかになっていない。
【目的】
 コーヒー摂取と全死亡・疾患特異的死亡リスクとの関連を評価する
【デザイン】
 MEC(Multiethnic cohort:多人種コホート)を基に人口ベースの前向き観察研究で1993-1996年に設立された
【セッティング】ハワイとロサンゼルス
【患者】
 アフリカンアメリカン、ネイティブハワイアン、日系アメリカ人、ラテン系、白人で組み入れ時45-75歳だった18万5855人
【アウトカム】
 アウトカムは1993-2012年の間の全死亡と疾患特異的死亡。コーヒー摂取量はベースライン時に、食事頻度質問指標を基に測定された。
【結果】
 58397人が期間中に亡くなり、319万5484人年フォローアップされた。平均フォローアップは16.2年。コーヒーなしと比較して、コーヒー摂取は全死亡減少と関連した。これは、喫煙やその他の交絡因子を補正しても同様で、
コーヒー1杯/日につき  HR 0.88(0.85-0.91)
コーヒー2-3杯/日につき HR 0.82(0.79-0.86)
コーヒー4杯以上で    HR 0.82(0.78-0.87)
だった。カフェインありでもカフェイン無しでも同様の傾向だった。

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(本文より引用)

 特に、アフリカンアメリカン、日系アメリカ人、ラテン系、白人では同様の結果だったが、ネイティブハワイアンでは統計学的有意差に達しなかった。その他死亡リスク軽減は、非喫煙者、55歳以下の若年者、慢性疾患の既往がないなどと関連した。
 また、心疾患・悪性腫瘍・呼吸器疾患・脳卒中・糖尿病・腎臓病の死亡リスク軽減にもコーヒー摂取が関連した。
【限界】
 未知の交絡因子 の存在や測定エラーはありえるが、感度分析では結果に影響するような因子は認められなかった。
【結論】
 コーヒーを摂取することはアフリカンアメリカン、日系アメリカ人、ラテン系、白人では死亡リスク低減と関連する

【批判的吟味】
・まずはいつも通り論文のPECOから
P:アフリカンアメリカン、ネイティブハワイアン、日系アメリカ人、ラテン系、白人
E/C:コーヒー無し、コーヒー摂取(量で層別化)
O:全死亡、疾患特異的死亡
T:前向き観察研究
・平均年齢60歳前後、女性 60%、BMI 26、喫煙者が10%前後
・大きな限界はコーヒー摂取量は経時的に評価されていないので、あくまで組み入れ時だという所です。
・例えばコーヒーの摂取量が多いと喫煙者が増えます。例えばコーヒーを飲まない人は喫煙者9.7%ですが、4杯/日以上飲む人達は喫煙者 35.3%です
・学歴は変わりないですが、カロリー摂取はコーヒー多い人の方が多い傾向です。
【個人的な意見】
 以前からコーヒーすごいぜ論文には注目していて、地域医療ジャーナルでもまとめていました。

cmj.publishers.fm 
 今回は非白人、特に我々アジア系でも同様の傾向がありますよ!という報告でした。用量依存ってのが面白いのとカフェインの有無で変わらないという・・・何が良いんだろうなあ?コーヒーを飲む様な余裕がある生活とか??

✓ コーヒーを飲むと非白人でも全死亡が低減し、ある程度用量依存的である