栃木県の総合内科医のブログ

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症例:BMJ 26歳女性 顔面の皮疹 

case reportです。
こうゆうの良いですね!

症例:26歳女性 顔面の皮疹

BMJ 2017;358:j3148 doi: 10.1136/bmj.j3148 (Published 2017 July 13)

 26歳女性で突然、顔面に皮疹が出たとのことで受診された。前日に彼女は重度の嘔吐、下痢、発熱があり、急性ウイルス性胃腸炎と診断されていた。皮疹は眼の周囲である。

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(本文より引用)

質問. 皮疹の原因は

 

回答:
診断:嘔吐による顔面紫斑

 原因は、嘔吐中の血管内圧亢進によって引き起こされる毛細血管の破綻

解説:

 紫斑は皮膚または皮下組織の血液の漏出によって引き起こされる。2mm以下の小さな紫斑病変は点状出血(petechia)と呼ばれ、10mm以上の大きな紫斑病変は斑状出血(ecchymosis)と呼ばれる。紅斑および毛細血管拡張はガラススライドの直接圧迫(diascopy)で白くなるが、紫斑は消えない。

 紫斑の触診性を評価することは、紫斑病変の評価の第一歩である。触知可能な紫斑は、脈管炎の様な炎症過程に続く広範な細胞浸潤および血管外フィブリン沈着の結果という可能性が最も高い。血小板減少症、血小板機能不全、異常な血管脆弱性などによる紫斑は、血管内圧上昇による単純な出血であり、触知できない紫斑病である。

 さらに、紫斑の位置は原因同定するのに役に立つ皮膚血管炎は下肢に発生する傾向がある。爪上皮出血点は全身性強皮症や皮膚筋炎の特徴である。顔面紫斑は、嘔吐、長時間の咳、啼泣、胎児出産、Valsalva手技などの重度の血管内圧上昇に起因する。これらは内視鏡手技の合併症としても報告されている。このような状態は、顔面への豊富な血管供給に関連し、まぶたのような緩い組織の特定の部位で起こる傾向がある。これらの紫斑部位は無症候性であり、患者自身は気付いていないこともある。
 
 検査結果や皮膚生検は必要ない。病変は通常治療無しで数日で治癒する。鑑別診断としては、アミロイドーシスに関連する紫斑病(panda sign)、神経芽細胞腫に関連する紫斑病がある。

Learning Points:

①紫斑病は、軽症から重症まで様々。大きさ・触知可能か、分布、詳細な病歴聴取が重要
②点状出血の多くは良性で、追加検査は不要である