栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics ガイドライン:腰背部痛では非薬物療法が推奨される

ACPJC紹介です。
さて、ようやくコンテンツ落ち着いていた。

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Noninvasive treatments for acute, subacute, and chronic low back pain: a clinical practice guideline from the American College of Physicians. 

Qaseem A, Wilt TJ, McLean RM, Forciea MA; Clinical Guidelines Com- mittee of the 

Ann Intern Med. 2017;166:514-30.

ガイドラインスコープ:
 American College of Physicians(ACP)の診療ガイドライン委員会によって、プライマリケアにおける急性・亜急性・慢性腰背部痛(LBP:Low Back Pain)の管理ガイドラインが開発された。

ガイドライン開発方法:
 ガイドラインは急性・亜急性・慢性腰背部痛に対する薬物療法と非薬物療法を比較したシステマティックレビューをもとに作成された。年齢は18歳以上の成人対象でAgency for Healthcare Research and Qualityで調査された。
 2008年1月から2016年11月で検索され、2007年以前の研究は2007年に報告されたシステマティックレビューが用いられた。ガイドラインは、雑誌のpeer reviewerやACP、政府関係者などで評価された。

推奨:
 推奨は以下の通り。
【強い推奨】急性〜亜急性
・皮膚を温める、マッサージ、鍼治療、脊椎徒手整復
・筋骨格系で希望する場合にNSAIDs

【強い推奨】慢性
・運動療法、リハビリ、鍼治療、マインドフルネス、ヨガ、太極拳、リラクゼーション、バイオフィードバック、認知行動療法、等

f:id:tyabu7973:20170713233820j:plain(本文より引用)

 

結論:
 ACPは、急性・亜急性・慢性の腰背部痛に対して初期は非薬物療法を推奨している。薬物療法は慢性経過で非薬物療法が効果が無かった場合や、急性・亜急性経過で患者希望の場合に用いる

 コメンタリーにはイギリスの診療ガイドラインを作成した方がコメントしていて、英国NICEとACPとの違いについてコメントしていてなかなか学びになりました。鍼治療のスタンスは両者で異なったり(英国除外、米国組み入れ)、リスク・ベネフィットの考え方が異なったり、費用について考慮されていなかったり、辺りが大きな違いとなります。