栃木県の総合内科医のブログ

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症例:Lancet 22歳女性 拇指の痛みと皮疹

case reportです。
これは国立国際からですね!

症例:22歳女性 拇指の痛みと皮疹

Lancet 2016; 388: 275

 22歳に日本人女性が10日前からの拇指の痛みと皮疹を主訴に病院を受診された。彼女は2週間前にウガンダに行き、Mnafwa地区に滞在していた。
 彼女は学生のフィールドワークで出かけていて、靴と靴下をはいていたが、郊外のゲストハウスでは、靴下無しでサンダルで過ごしていたと話した。
 診察では、左拇指の爪縁部に中央に黒い斑点を有する約5mm程度の黄白色結節を認めた。

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(本文より引用)

質問. 診断は

 

回答:
診断:スナノミ症

経過:

 Stage3のスナノミ症(Tungiasis)を疑い、局所麻酔したで結節を切除したところ複数の卵を認めた。破傷風ワクチンのブースター接種を行った。立体顕微鏡検査では、体長 0.5mmの成熟卵Tnnga penatransを認めた。7日後のフォローアップ診察で、2次性細菌感染の徴候無く治癒した。

解説:

 スナノミ症は、中南米、カリブ海、サハラ以南のアフリカで好発しているスナノミ科の寄生虫 T penetransによる皮膚寄生虫感染症である。ノミは主に動物を介して感染する。一旦人体に入ると、1-3週間で直径10mmまで成長し、数百の卵を残す。

 スナノミ症は、流行地域においては、長期身体的障害、不動、慢性疼痛に関連する重要な健康障害であり、自己切除は、破傷風や菌血症などの致死的な2次性細菌感染を引き起こす。外科的切除は確立された効果的治療法の一つだが、有害事象を減らすために局所ジメチコン塗布も選択肢の一つである。
 
 スナノミ症は人畜共通感染症であり各ステージに分類可能である。診断はスナノミが埋め込まれたばかりの時期には難しいこともある。旅行者は流行地域を訪れている間は、靴や靴下を常に着用していることが重要であることを教育されるべきである。