栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:60歳男性 繰り返す低血糖

NEJMのKnowledge+です。 
今週はまあひたすら見学見学ですな笑

症例:60歳男性 繰り返す低血糖

 60歳男性、20年来の2型糖尿病、糖尿病性神経症既往のある患者が、最近複数回の症候性低血糖エピソードがあるとのことで受診された。発作は日中も複数回起こり、即座にスナックを摂取して改善している。症状が出ている際の母指血糖は30-40mg/dLである。インスリン治療は、インスリングラルギン眠前30単位とアスパルト各食前5単位だった。食事によるカロリー摂取は最近数ヶ月はそれほど変わっていないとのことだった。

 1年前に血清Cr 2.5mg/dLでHbA1c 8.2%だった。1か月前には血清Cr 4.0mg/dL、HbA1c 7.1%だった。

質問. 本患者で次に行うべき最も適切なのはどれか?

  1.   食前インスリンの中止
  2.   経過観察入院し、低血糖時のインスリンとCペプチド値を測定
  3.   全てのインスリンを20%減量する
  4.   グラルギンをリラグルチドに変更する
  5.   アスパルトをレギュラーインスリンに変更する

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 インスリン治療中の進行期腎不全患者の低血糖ではインスリンを減らすことが望ましい

答 3. 全てのインスリンを20%減量する

解説:

 注射されたインスリンは部分的に腎臓で代謝される。進行期腎不全患者ではインスリンクリアランスが減少し、通常よりも血中に長く留まる。これによって、腎機能が悪化しているインスリン治療糖尿病患者では低血糖がしばしば起こる。この場合の最も適切な対応はインスリンを減少させることである。

 リラグルチドは、β細胞障害を疑わせるインスリン強化療法を行っている患者では効果は期待しにくい。リラグルチドは進行期腎不全患者には推奨されない

 インスリンアスパルトを通常のインスリンに置き換えることは、胃排泄障害患者の場合には役立つが、進行した腎疾患患者における低血糖の発生率を低下させる可能性は低い。

 食前インスリンを中止することは、重度の食後高血糖と、夜間の低血糖リスクが高い状態が続いている本患者では第一選択とは考えにくい。

 インスリノーマが疑われる場合には、低血糖時のインスリンとCペプチド値を測定することが適切である。しかし、より明らかな低血糖要因がある様な本患者ではインスリノーマを積極的に疑う所見に乏しい。

Citations

  • Service FJ. Hypoglycemic disorders. N Engl J Med 1995 Apr 27; 332:1144. 

  • Cryer PE et al. Evaluation and management of adult hypoglycemic disorders: an Endocrine Society Clinical Practice Guideline. J Clin Endocrinol Metab 2008 Dec 18; 94:709. 

ここが知りたい! 糖尿病診療ハンドブック Ver.3

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