栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACG question:43歳 PSC患者の胆嚢ポリープ

さて引き続き消化器疾患に強くなろうシリーズ。ACG Questionです。
今回は胆嚢ポリープ症例!超シンプルなり。

Q. 43歳女性 胆嚢ポリープ

 43歳女性でPSC(原発性硬化性胆管炎)既往のある女性に、9mmの胆嚢ポリープが見つかった。

質問. このポリープの管理は?

  1.   1年後に超音波
  2.   半年後に超音波
  3.   胆嚢摘出術
  4.   心配ないと安心させる

 (以上本文より引用)

答 C. 胆嚢摘出術

解説:

 え?ってなるのがこの手の問題の王道ですから、症例クイズに長けてる人は読みきれるかもしれませんね。とはいえ・・・

 まず基本事項ですが、原発性硬化性胆管炎はいくつかの悪性腫瘍発生リスクが高いと言われており、適切なタイミングでの癌スクリーニングが必要と言われています。具体的には胆嚢癌/胆管癌、結腸癌、肝細胞癌です。今回の胆嚢摘出術の話題も、まさにPSCの胆嚢癌合併を危惧しての話題という訳です。

①胆嚢癌/胆管癌
 PSCが胆嚢癌/胆管癌リスクを上げることは知られており、いくつかのサーベイランス方法が推奨されています。
・胆嚢病変の検出のため年1回の超音波検査
・胆管病変の検出のため6-12か月毎の超音波またはMRI
・胆管癌については6-12か月毎の腫瘍マーカー(CA19-9)
8mm以上のポリープでは胆嚢摘出術を推奨する診療ガイドラインも
このうち、8mm以上のポリープは今回該当するわけです。
 
②結腸癌
 PSCの実に90%は潰瘍性大腸炎を合併していると言われ、PSCの結腸癌リスクはすなわち潰瘍性大腸炎の結腸癌リスクと言えるかもしれません。ちなみに報告の頻度は結構ばらつきはあります。
 推奨としては1-2年毎に大腸内視鏡検査。もしIBD合併のないPSCであれば3-5年毎が推奨されています。

③肝細胞癌
 これは基本的には肝硬変になったら・・・。ということですね。 

 ちなみに予後スコアはMayo risk scoreなどがあり

https://clinicalgate.com/wp-content/uploads/2015/05/B9781416061892000688_t0015.jpg

ちょっと複雑な計算式にはなりますが予後予測が可能です。
この項目には、年齢・ビリルビン値・アルブミン・AST・静脈瘤出血の既往などが含まれています。また、肝移植を考慮しなくてはいけないことも多く、MELD scoreなどで評価されることもあります。

Citations

  1. Lindor KD, Kowdley KV and Harrison ME. ACG Clinical Guideline: Primary Sclerosing Cholangitis. Am J Gastroenterol 2015; 110:646–659.