栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:治療 重症インフルエンザ感染症の入院患者では、オセルタミビル単剤より3剤併用療法の方が死亡率を下げる

ACPJC紹介です。
さて、これをどう適用するかだなあ
3剤とは、クラリスロマイシン・ナプロキセン・オセルタミビルとのこと。

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Efficacy of clarithromycin– naproxen–oseltamivir combination in the treatment of patients hospitalized for influenza A(H3N2) infection: an open-label randomized, controlled, phase IIb/III trial. 

Hung IFN, To KKW, Chan JFW, et al. 

Chest. 2017;151:1069-80.

臨床疑問:
 重症インフルエンザの入院患者では、クラリスロマイシン・ナプロキセン・オセルタミビルの併用療法はオセルタミビル単独と比較してどの程度効果があるのか?

方法:
デザイン:ランダム化比較試験。
隠蔽化:あり
盲検化:患者のみ盲検
フォローアップ期間:90日
セッティング:香港のQueen Mary病院
患者:217人の18歳以上の成人で平均年齢80-82歳、男性53%、入院が必要かつインフルエンザA H3N2が陽性で、体温 38℃以上、咳・痰・咽頭痛・鼻汁・頭痛・筋肉痛・倦怠感のうち1つ以上の症状が有り、症状持続時間が72時間未満の症例で、更にX線もしくはCTで肺浸潤影が認められた症例を組み入れた。
 除外基準は、入院24時間以内に抗ウイルス薬が投与できない、CCr<30mL/min、投与薬剤のアレルギー。
介入:3剤併用療法(クラリスロマイシン 500mg+ナプロキセン 200mg+オセルタミビル 75mg 2回/日を2日併用後にオセルタミビルのみ3日追加
)群 107人と、オセルタミビル75mg 2回/日5日間群 110人を比較した
アウトカム:30日後の死亡率。セカンダリアウトカムは、90日後の死亡率、ICUやHCU入室、入院期間、30日以内の歳入院率、副作用。
患者フォロー率:100%

結果:
 3剤併用療法は30日後・90日後の死亡率を減らし、重症部屋入院を減らし、急性期病院の入院期間を減らした
 ICU入室や30日以内の再入院率、VAP発症率、日和見感染率は変わらなかった。

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(本文より引用)

結論:
 重症インフルエンザの入院患者では、クラリスロマイシン・ナプロキセン・オセルタミビルの併用療法はオセルタミビル単独と比較して死亡率を減らし、合併症を増やさなかった

 以下、紹介終わり。うむ〜という流れですね。

 今回、研究の問題としては、研究者側は盲検されていないという部分ですね。ただ、アウトカムの中身はどれも客観的指標なので、恣意は入りにくいです。入院期間とかは微妙ですけど。

 我々にとって強みは、香港は人種的に近いことでしょうか。まだまだ、小規模な単一施設の研究なので追試待ちと言うところだと思いますが、無視はできない結果かなと思います。死亡率全然違うし、NNTもかなり良い!