栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

身体所見:Froment'sign Froment徴候

さて、身体所見シリーズ。
今週は"F"いってみます!

Froment's sign フローマン徴候

【方法】両手の母指と示指で紙をつまみ、反対方向に引っ張る。
【判定法】引っ張る際に患側の母指の第一関節が曲がれば陽性。陽性であれば尺骨神経麻痺を疑う所見。母指内転筋(尺骨神経支配)が麻痺して動かしにくくなるため、代償して長母指屈筋(正中神経支配)の屈曲が強まって起こる現象で、日本整形外科学会のHPの挿絵が良い。
 変法として、患者に紙を保持してもらい、検者が引っ張るという方法もある。

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/img/ulnar_nerve_palsy_02.gif

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/img/ulnar_nerve_palsy_02.gifより引用)【疾患・病態】
 尺骨神経麻痺による症状の同定に有用。一方で正中神経麻痺はないことも証明できる。
 尺骨神経麻痺だと、逆にMP関節は過伸展する(Jeanne's sign)ことで、鷲手変形になることが知られており、ある意味Froment's signの結果とも言えます。

【発見者と契機】
 命名の由来となったJules Froment先生は、フランスの神経内科医でした。リヨン大学の教授だった様ですが、この当時のフランス神経内科医は大物揃いで、Froment先生は"あの"Babinski徴候のJoseph Babinski先生と共同して、ヒステリーについての論文を書いたりしています。

Jules Froment - Wikipedia

【エビデンス】

 PubmedでFoment's signを検索してみましたが、残念ながら大規模検証はされていませんでした。