栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:コリン性蕁麻疹/OTSC/ALP上昇とPTH

カンファまとめです
とりあえず色々まとめておきます!

コリン性蕁麻疹 Cholinergic urticaria

 コリン作動性は最近はクリーゼにばかり注目しがちですが、蕁麻疹でも結構重要ですよね。
 基本的には蕁麻疹なのですが、コリン性蕁麻疹の場合には発汗が誘因になることがポイントです。ただし、発汗することで発症するタイプと発汗がなかなかできずに発症するパターンがあります。これはそれぞれ汗管閉塞型と汗アレルギー型と呼ばれています。コリン性蕁麻疹の場合には掻痒感以外に疼痛を伴うことも報告されています。

 疑うきっかけは若者の蕁麻疹で、トリガーが夏の暑い時期や緊張して発汗してしまうときにでることなどがポイントですね。

 J Hospitalist Networkにも詳しく載っていましたので興味のある方は是非。

http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-tenri-160725-02.pdf


 ✓ コリン性蕁麻疹という病態を把握しておくこと
 

OTSC Over the Scope Clip system

 今回、初めて概念として知りました。ラーメンズ的に言えば「来てるな、未来!」です笑。消化管の穿孔・瘻孔を見た時には、基本的には外科的手術が選択されてきましたが、近年画期的な全層縫合器として、Over-The-Scope-Clip(OTSC)が登場しています。
 日本では2011年11月に薬事認可されていて、徐々に臨床応用されてきています。簡単に言うと、内視鏡下にクリップで全層を把持し、確実な瘻孔閉鎖を可能にしたシステムです。
 

http://img.medicalexpo.com/ja/images_me/photo-g/77004-3182731.jpghttp://www.endotherapeutics.com.au/assets/images/OVESCO/Ovesco_OTSC_Wall_Closure.jpg

  本邦でも症例報告が複数出てきています。興味深いのは上部でも下部でも応用できることで、小原らの報告1)でも、胃8例、十二指腸5例、直腸2例、食道1例とかなり幅広く利用できることが分かります。
1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/55/6/55_1854/_pdf

✓ OTSCは内視鏡時代の瘻孔治療の一手である

 

ALP上昇とPTH ALP elevation and PTH

 ちょっと病態は異なるのですが、ALP上昇時の鑑別としてPTHを考慮しましょうという話題。通常はPTH上昇する病態として、原発性および2次性の副甲状腺機能亢進症を鑑別する必要があります。

 通常原発性の場合には、高カルシウム血症を伴うことが多く、続発性の場合には、カルシウム値は正常もしくは低値になることが多いです。ただ、やっかいなことに、Ca正常な原発性副甲状腺機能亢進症という概念(Normocalcemic Primary Hyperparathyroidism:NCHPT)もある模様で、この場合には、二次性副甲状腺機能亢進症の鑑別はなかなかにやっかいな模様です。

 そもそもカルシウム値が正常なのでPTHを測定するという頭にならない可能性があります。その場合のポイントはALP単独高値かつ骨型で骨密度低下を合併しているというところでしょうか。
 
 この場合に、鑑別は2次性副甲状腺機能亢進症であり、ベースに低カルシウム気味になる病態があれば、Ca正常な副甲状腺機能亢進症になります。以下に2次性の鑑別を挙げておきます。

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  ✓ Ca正常な場合のPTH上昇にアプローチできる