栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

身体所見:Gowers's sign ガワース徴候

さて、身体所見シリーズ。今週は"G"いってみます!
比較的メジャーどころです。

Gowers's sign ガワース徴候

【方法】四つん這いの状態から立ち上がってもらう。
【判定法】立ち上がるときに、膝に手をつき、自分の身体をよじ登るようにして立位をとれば陽性となる。(登攀性起立 climb own body)

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https://en.wikipedia.org/wiki/Gowers%27_sign#/media/File:Gower%27s_Sign.pngより引用)【疾患・病態】
 下肢の近位筋の筋力低下がある場合に陽性となる。股関節や大腿筋付近の筋力低下がある疾患では、見られる所見だが、最も典型的なのはDuchenne型筋ジストロフィーです。

【発見者と契機】
 発見したWilliam Richard Gowers先生は、1845-1915年に活躍したイギリスの神経内科医でした。Gowers先生は非常に優秀な神経内科医で、学生時代からその博識ぶりは遺憾なく発揮されていたのだそうです。19世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチの様な存在だったようです。
 神経内科医としても幅広く活躍され、筋ジストロフィーだけでなく、パーキンソン病やてんかんなどの領域でも複数の業績があります。また「A Manual of diseases if the nervous system」という神経内科医の教科書を発売し、「神経学のバイブル」とも言われています。
 ちなみに余談ですが、この徴候は1868年にフランス人医師のDuchenneが報告したとも言われています

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William Gowers (neurologist) - Wikipedia

【エビデンス】

 PubmedでGowers先生の業績はしばしば報告されています。一方でこの徴候の操作特性は検証されておりません。