栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:治療 原因不明の脳梗塞患者において、抗血小板薬治療にPFO閉鎖を追加すると脳梗塞再発が減る

ACPJC紹介。
さてPFOについては右に左に振れておりますが、さてどうなることやら。

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Acute kidney injury after computed tomography: a meta-analysis. 

Aycock RD, Westafer LM, Boxen JL, et al. 

Ann Emerg Med. 2017 Aug 12. [Epub ahead of print].

臨床疑問:
 原因不明の脳梗塞後に、抗血小板薬に加えて卵円孔閉鎖を行うことの効果と安全性はどうか?

方法:
デザイン:ランダム化比較試験(Gore REDUCE研究

隠蔽化:あり
盲検化:あり、アウトカム評価者
フォローアップ期間:
平均3.2年
セッティング:
米国・英国・カナダ・デンマーク・フィンランド・ノルウェイ・スウェーデンの63医療機関
患者:
664人の18-59歳の成人(平均年齢 45歳、60%男性)で、180日以内に原因不明脳梗塞と診断され右左シャントを伴う卵円孔開存のある患者が組み入れられた。
 除外基準としてラクナ梗塞、コントロール不良の糖尿病・高血圧、自己免疫性疾患、最近のアルコールや薬物使用、抗凝固療法の適応。
介入:
PFO閉鎖+抗血小板薬群(n=441人) vs 抗血小板薬単独群(m=223人)を比較した。PFO閉鎖はランダム化90日以内に行われた。抗血小板薬は、アスピリン・アスピリン+ジピリダモール・クロピドグレルだった。
プライマリアウトカム:臨床症状と合致したMRIの異常所見を伴う脳梗塞
。その他のアウトカムは脳梗塞再発や副作用。
患者フォローアップ:84%(ITT解析あり)

結果:
 PFO閉鎖は、抗血小板薬単独と比べて有意に脳梗塞を減らしたが、心房細動や心房粗動リスクを増やした(PFO群 6.6%、通常ケア群 0.4%)。

 重篤な心房細動や心房粗動、重篤な有害事象、重篤な出血、死亡、深部静脈血栓症/肺塞栓症には有意差が無かった。

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(本文より引用)

結論:
 原因不明の脳梗塞後に、抗血小板薬に加えて卵円孔閉鎖を行うことは、抗血小板薬単独と比較して、重篤な有害事象は増やさずに脳梗塞を減らす

 PFOの頻度は研究によっても違いますが、存外多い事が知られています。PFOを閉鎖すること自体は簡単ではありません。そもそも手術がうまくいかなかった症例は7.3%程度だったとも言われています。 
 この研究結果は早速Uptodateにも反映されてましたね。60差以下の患者では行うことはGrade 2Bで推奨されていました。