栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

症例:CCJM 30歳男性 多発する発疹

case report。
これも認識できるかですかね・・・
それか!と思いました笑

症例:30歳男性 多発する発疹
Cleve Clin J Med.2016.83(10):715-716

 30歳男性。2週間前から肘・手首・足・臀部・手・前腕に無症候の複数の肌色〜黄色の丘疹・結節が急に出現した。
 既往歴では、糖尿病、6年前に診断され1年複数薬剤で治療されたハンセン病、6か月前に膵炎。

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(本文より引用)

質問. この皮疹は?

 

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回答:発疹性黄色腫

経過・解説:
 血清サンプルを1500rpmで15分間遠心分離すると大きな脂質層が形成された

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(本文より引用)

 TG 5742mg/dL、T-Cho 293mg/dL、FBG 473mg/dL、LDL・HDL正常、血球正常。心電図も正常だった。網膜検査では脂肪性網膜炎の診断。病変の生検結果では、真皮内にリンパ球を含んだ泡沫状マクロファージが認められ、発疹性黄色腫の診断となった。スタチンおよびフィブラートが使用され、顕著な改善が得られた。

 皮膚症状は全身性疾患の警告徴候であることがあり、医師はこれらの警告所見に精通しておく必要がある。発疹性黄色腫は、重度の高トリグリセリド血症の徴候であり、ほとんどの場合、高カイロミクロン血症や家族性脂質異常症(家族性高トリグリセリド血症、小児のリポ蛋白リパーゼ不全)などが原因となる。

 高カイロミクロン症候群は、発疹性黄色腫、脂肪性網膜炎、腹痛や膵炎を起こす患者で、TG値 1000mg/dLを超えるのが特徴である。有病率としては10000人あたり1.7人と報告されている。治療は厳格な低脂肪食で、フィブラートやニコチン酸の役割はほとんどない。

 発疹性黄色腫は、重度の高TG血症患者の8.5%程度で見られたと報告されている。血清TG>1000mg/dLの患者では、急性膵炎リスクは5%程度で、2000mg/dLを超えると10-20%程度となる。

  本患者では、皮膚病変の出現、膵炎および糖尿病の病歴、高TG血症を示唆する脂肪性網膜炎の既往などから、高カイロミクロン血症の診断に至った。発疹性黄色腫を認めた場合には、TG値の著明上昇の疑いがある。皮膚徴候の確認は全身性疾患の診断に重要である

✓ 黄色腫は”急に” ”あちこちに” できることがある